かかとの痛みの本当の原因は、
かかとから一番遠い場所にあった
産後6か月、膝とかかとの痛みで来院された方の臨床報告
「膝とかかとが痛い」と来院された、産後6か月のお母さんの症例です。
膝の痛みは落ち着いてきていましたが、かかとと肩の痛みが気になるとのことでした。
産後6か月、膝とかかとの痛み
足首の動きを確認すると、可動域がかなり制限されていました。ただ当院では、痛い場所だけを見ることはしません。全身を評価していきます。
もっとも緊張が強かったのは、前頭部から後頭下筋群
全身を評価していくと、今回もっとも緊張が強かったのは前頭部まわりから後頭下筋群でした。かかとの痛みを訴えていらっしゃる方の、身体のいちばん反対側にあたる場所です。
なぜ、離れた場所を確認するのか
オステオパシーでは、身体はひとつのユニットとして働いていると考えます。また解剖学的にも、筋膜のつながり(スーパーフィシャル・バックラインなど)が報告されています。
そのため当院では、症状が出ている場所だけでなく、離れた部位の緊張も身体の動きに影響する可能性を考慮して評価を行っています。
お話をうかがう中で見えてきたこと
さらにお話をうかがうと、「仕事復帰をどうしようか、まだ何も決まっていないのに、いろいろ考えすぎてしまう」——そんな不安も抱えていらっしゃいました。
産後は、身体の変化と生活の変化が同時に訪れる時期です。お身体の所見だけでなく、いまどんなことを考えていらっしゃるのかも、あわせてうかがうようにしています。
今回行ったアプローチ
今回の施術では、前頭部まわりと後頭下筋群、さらに腎臓まわりの組織の可動性にもアプローチしました。
※ 腎臓へのアプローチについては、オステオパシーの考え方にもとづくものであり、その効果や仕組みについては今後も慎重に考えていきたいと思っています。
また、東洋医学でも、かかとの痛みを腎との関連からとらえる考え方があります。今回も、身体所見とお話をうかがった内容から、腎の状態にも着目して施術を行いました。
施術後の変化と、これからのこと
施術後には足首の動きが改善し、ご本人も軽さを感じて喜んでくださいました。
こうした変化は、施術による一時的なものだけでなく、日常生活での負担のかかり方や心身の状態によって変わりうるものです。今回のケースでは、身体の不調だけでなく、仕事のことやこれからの生活への不安もお聞きしました。
身体のケアと同時に、そうした気持ちにも目を向けながら、無理のないペースでケアを続けていくことが大切だと考えています。
産後の膝やかかと、足首の違和感でお悩みの方は、無理をせず、一度ご相談いただければと思います。
※ 本記事は一症例の臨床報告です。施術による変化の感じ方には個人差があり、特定の疾患の治療や治癒を保証するものではありません。強い痛みや腫れ、しびれを伴う場合は、まず医療機関での診察をおすすめします。